麒麟がくる、第9話『信長の失敗』の感想です。
主人公が10分程度しか登場しない異例の回でしたが、菊丸の正体や、光秀の父、青年期の”うつけ”としての信長、竹千代とほかのキャラクターの絡み、それぞれの母親の描写、など、かなり盛りだくさんの回でした。
主人公が10分くらいしか登場しない展開
今回は、前半30分くらいが信長と帰蝶のはなし、そのあと光秀が少し出てきて、最後5分は京都の駒ちゃんのはなし。主人公の明智光秀は、結局10分くらいしか登場しないというまさかの展開。
しかし、その分、今回はいろんなことが盛りだくさんの回だった。
菊丸の正体
初回から謎が深まるばかりだった菊丸だが、今回その正体がおぼろげに判明。その正体は、おそらく徳川家につかえる忍者だった。
竹千代、すなわち徳川家康を守る立場にあることが判明した菊丸は、なぜ、光秀と出会う必要があったのか。この出会いが偶然なのか仕組まれたものなのかは、今後判明するのだと思う。
存在感を増す光秀の父
物語がスタートした時点でもうこの世にはいなかった光秀の父。しかし、明智家の面々のセリフや、駒ちゃんを京都で助けた謎の武士の話など(これが光秀の父かは未確定だが)、光秀の父にまつわる描写が、ドラマの進むにつれてちょくちょく入って来る。今回もまた、光安と牧のシーンで、光秀の父の話に。
これに関しては、いつ回収されていくのかよくわからないが、おそらくこれからの光秀の人生において、光秀の父親が何らかのかかわりを持っていくことは確かだと思う。そうじゃないと、一度も登場したことがない人物がここまでプッシュされるのは、すこし不自然。
信長だって若かった
今回、ようやく信長が割とがっつり出演。村人と仲が良いという描写のすぐ後に、家康パパの首を取ってきたという描写。うわぁ、こわ!と一瞬思ったけど、よくよく考えれば、誰かの首を取るというのは当時としては別に当たり前のことなのかもしれない。むしろ、父親(信秀)に褒められたかった、みたいな青年期の心理模様を表しているところっぽかったので、ことさら信長の残虐性をプッシュする描写ではなかったように思える。
前回のレビューで、今回の信長がどういう意味での“うつけ”として描くのかについてふれたけれど、やはり今回は“青年期の揺れ動く信長”としての“うつけ感”を演出するのかなという感じ。親が子に「馬鹿やろう!」叱っているような感覚で「うつけ!」と使っていたから、そういう意味では、特段信長独特の“うつけ感”があるというより、若者としての“うつけ感”という感じ。むしろ、信長と私たちの距離が近く見せるような、つまり、信長だって若いころは親に「馬鹿野郎!」とか言われて育ったんだ、みたいな。
家康との絡みと、秀吉への期待
竹千代君が再登場。今回は、信秀の屋敷に呼ばれて遊んでいる(遊ばされている?)という設定。竹千代君が信長や信勝と囲碁を打っていることが判明し、帰蝶とも面識を持つように。
今後の歴史を知っている私たちからすれば、ここら辺のキャラクターが関わりあっていくのを見るのは、楽しくもあり、結末を知っているからこそ、少し複雑な気持ちになったりもする。
そして、竹千代君が出てくれば来るほど、まだ少し先になるのだろうけど、秀吉の初登場シーンへの期待が膨らむ。いろいろな役者がそろう中、秀吉はどのように登場し、また、ここにどのように絡んでいくのか。
それぞれの母
今回はキャラクターの母親がピックアップされる回でもあった。信長の母である土田御前、家康の母である於大の方、そして光秀の母である牧。
思い返せば、今回は出ていないが、高政の母の深芳野もちょくちょく登場しているし、そもそもこの大河ドラマ自体が、割と母親に焦点をあてる側面を持っているように思える。
土田御前に関しては、「開けてはいけないふたがある」みたいな「白黒つけない方がいいコトもある」的な意味深なセリフを帰蝶に言い放っていたが、これも後に回収されるのだろう。
その他、諸々の感想
・家康パパ!退場早い!
・来週ようやく伊呂波太夫が登場するっぽい
・煕子(ひろこ)初登場。あの時点で何歳なのか。
・「カメラを止めるな!」の主演の人がお茶を売る人の役で出てた。また出てほしい。
・脚本に関して、全話を池端俊策が担当してるわけじゃないのを、今回ちゃんと認識。
次回に続く!
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